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ソウル&ファンク大辞典

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Phil Ranelin / VIBES FROM THE TRIBE

快楽と儚さの境界線に漂うグルーヴ

フィルラネリン Vibes from the Tribe,
Phil Ranelin, 1976
フィル・ラネリンは、モータウンでスティービー・ワンダー等のセッション・ミュージシャンとしてキャリアを残した後、この作品でも共演しているサックス奏者Wendell Harrison(ウェンデル・ハリソン)とTribe(トライブ)というグループとレーベルを設立。“Vibes from the Tribe”は、その伝説のレーベル、トライブでの最後のアルバムとなった。

一曲目のタイトル曲のドラム&ベースの絡みを聞いただけで、この作品の凄さが確信できる。重なるホーンやエレピが不穏な雰囲気を醸し出し、最高の70年代ジャズファンクのヴァイブスを味わえるが、盛り上がったところで曲が終わってしまうため、放置プレイにあったような感覚にも襲われる。

しかし続きがあった。続く“Sounds from the Village”こそ、このアルバムで最もファンキーな曲。フィル・ラネリンのトロンボーンとRalph Armstrong(ラルフ・アームストロング)のエレキギターがミスマッチな感じで面白い。このラルフ・アームストロングは本来ベーシストで、このアルバムでも何曲かベースを担当しているが、この曲だけハードでアグレッシブなギターを弾いている。

A3 “Wife”やA4 “For the Children”で聞ける彼の歌声は、ちょっとChet Baker(チェット・ベイカー)を思わせるような哀愁を感じさせる。彼の吹くトロンボーンは、その歌声にも似ている。

こういう音と出会いことができるから、何回無駄足を踏んでも、ジャズのチェックを怠ることができない。

Producer: Bud Spangler
1976年



Vibes from the Tribe - Phil Ranelin
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