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ソウル&ファンク大辞典

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Marcus Belgrave / GEMINI II

デトロイトを愛したトランペッターの伝説のかけら

マーカス・ベルグレイブ Gemini II,
Marcus Belgrave, 1974
父のように慕うレイ・チャールズのバックバンドでプレイしている時に訪れたデトロイトが気に入り、その後この街の住人となったマーカス・ベルグレイヴ。トランペットの腕を活かして、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったモータウンで安定した仕事を得るが、彼は本来、クリフォード・ブラウンにも教えを受けたジャズの人。同時にデトロイトのジャズ界でも活動を始める。

本作はマーカス・ベルグレイヴにとってのソロデビュー作。1974年にはすでにモータウンは西海岸に移っていたので、この作品で彼が本格的にジャズ・ミュージシャンとしての道を歩み出す名刺代わりになった。リリースはPhil Ranelin(フィル・ラネリン)とWendell Harrison(ウェンデル・ハリソン)が設立した伝説のレーベルTribe Records。もちろん二人ともプレイヤーとしても参加。

何と言っても秀逸なのは1曲目の“Space Odyssey”。タイトルから推測するにキューブリックに影響を受けたのだろうが、なぜか天才ドラマー、Roy Brooks(ロイ・ブルックス)が横山ホットブラザーズの「おーまーえーはーあーほーかー」でお馴染みのミュージカル・ソウをプレイしている(ミュージカル・ソウに関しては横山ホットブラザーズの方が上手いのではないかという気がする…)。もちろんこの曲はコミックソングではなく、トライブを代表するスピリチュアル・ジャズの大名作。ソウルジャズ寄りのA3 “Glue Fingers (Part II)”やB1 “Gemini II”もダンサブルで良い。

これほどの名作を残したものの、デトロイトから出ることがほとんどなかったため、ソロ・アーティストとしてはそれほど成功せず、サイドマンとして活動や後進の育成に力を注いだ。

Producer: Marcus Belgrave
1974年



Space Odyssey - Marcus Belgrave
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