ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
Jaco Pastorius, 続く“Come On, Come Over”では一転して、Sam & Dave(サム&デイヴ)をヴォーカルに迎えたゴリゴリのジャズ・ファンク。優れたテクニックを前面に出すのではなく、ミュージシャンとして音楽を楽しんでいる姿が目に浮かぶ。バックのメンバーは当然のごとく超一流。ドラムにNarada Michael Walden(ナラダ・マイケル・ウォルデン)、キーボード Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)、ホーンセクションはマイケルとランディのブレッカー・ブラザーズ。このアルバムでは彼ら以外にもドラムのLenny White(レニー・ホワイト)やサックスのWayne Shorter(ウェイン・ショーター)等も参加しており、若手の一ベーシストのデビュー作とは思えない面々が名を連ねている。
疾走感溢れるストリングスとジャコのベースが印象的な“Kuru / Speak Like a Child”も面白い。ジャコとハービー・ハンコックの共作であるこの曲では、二人が担当した部分がそれぞれ緊張と緩和の効果を醸し出し、最後には一体となり昇華していく。
フレットレス奏者なら“Portrait of Tracy”は必聴。ジャコ・パストリアスの代名詞でもあるハーモニクス奏法をふんだんに使ったこの曲は、ベースの教科書のような曲。
超絶ベーシストを目指す人やジャズファンだけではなく、クラブ・ジャズが好きな人にも十分楽しめる奥深く幅広い作品。
Producer: Bobby Colomby
1976年