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ガーランド・ジェフリーズの代表作『エスケープ・アーティスト』も基本はロックとレゲエをミックスし、そこにソウルのスパイスを加えたような大都会のストリート・ミュージックだ。だが、このアルバムで描かれている世界は、ヒップホップ初期にAfrika Bambaataa(アフリカ・バンバータ)周辺の人たちが表現した世界の近隣の風景でもある。同じ場所から世界を見つめ、それぞれ違う表現をしているだけだ。ターンテーブルやラップの代わりに、ガーランド・ジェフリーズは、オーソドックスなロックバンドとダブをミックスして、この時代のニューヨークを音にした。
参加しているアーティストも80年前後を代表する面々が参加している。ロック界からは、メインのバックバンドとして、ブルース・スプリングスティーンのEストリートバンドやグラハム・パーカーのルーモアのメンバーを採用。ルー・リードや元ニューヨークドールズのデヴィッド・ヨハンセン、トーキング・ヘッズやキングクリムゾンで活躍したエイドリアン・ブリューまで参加している。レゲエ界からはビッグ・ユース、デニス・ボーヴェル、リントン・クウェシ・ジョンソン等。ジャズ界からもマイケルとランディのブレッカー・ブラザーズがホーンで入っている。
そしてプロデュースはロックからダンスミュージックまで幅広く手がけたボブ・クリアマウンテン。このメンバーの音をまとめるにはふさわしい人選。
80年初期のニューヨーク愛が溢れている。
Producer: Bob Clearmountain, Garland Jeffreys
1981年