Ernie Hines / ELECTRIFIED
シカゴの風に吹かれたゆるふわサザンソウル
Electrified,
Ernie Hines, 1972
生まれは南部ミシシッピ州、かつてはゴスペル・グループにも所属していたヴォーカリスト兼ギタリストのアーニー・ハインズ。ギタリストとしてはブルース界の大物、Johnnie Taylor(ジョニー・テイラー)やLowell Fulson(ローウェル・フルソン)、ベーシストとしても
Slim Harpo(スリム・ハーポ)のバックでプレイ。ソロとしてのデビューアルバムである“Electrified”は、
Stax(スタックス)傘下のWe Produce(ウイ・プロデュース)からリリース。これだけを聞くとかなりディープなサザンソウルを想像させるが、本アルバムでは、同レーベルのLou Bond(ルー・ボンド)やTemprees(テンプリーズ)の作品のように、メンフィス的な土臭さよりも、どこか都会的な香りの方が強く感じる。これは彼がスタックスと契約前にシカゴにいたことや、シンガーというよりも、ソングライター志向が強かったことが大きく働いているのかもしれない。
このアルバムのキラーチューンといえば、ピート・ロック&CLスムースがサンプリングして、ジョン・レジェンドがザ・ルーツと組んでカバーした“Our Generation”で決まりだが、A1 “Electrified Love”、A3 “Your Love (Is All I Need)”、A4 “What Would I Do”、B2 “A Better World (For Everyone)”のようなミドルの曲も抜群にいい。サム・クックのソウル・アンセムをカジュアルにカバーした“A Change Is Gonna Come”も、軽さが個性となって、一周回って気持ちよく感じる。
Producer: Tom Nixon, Carl Hampton, Fred Briggs, Jo Bridges, Lester Snell
1972年