Baby Huey / THE BABY HUEY STORY: THE LIVING LEGEND
26歳で亡くなったレアファンク界の「巨人」
The Baby Huey Story:,
The Living Legend
Baby Huey, 1971
ベイビー・ヒューイは1960年代中期から、巨体を活かしたライブパフォーマンスで人気を集め、Baby Huey & the Babysitters(ベイビー・ヒューイ&ザ・ベイビーシッターズ)としてシングル盤も数枚リリースしていた。その後、 Curtom(カートム)時代の
Donny Hathaway(ダニー・ハサウェイ)に気に入られアルバムデビューが決まる。プロデュースは
Cutis Mayfield(カーティス・メイフィールド)。カーティスの作品も数曲収録されているが、それ以上にベイビー・ヒューイの存在感が全面に出ているところが凄い。Sam Cooke(サム・クック)の“A Change Is Gonna Come”のカバーなんて、最初聞いた時はヘビメタ並みの大げさなシャウトに笑いそうになったが、オリジナルよりも数倍パワフルだし、カーティス・メイフィールドの“Mighty, Mighty”も完全に自分のものにしている。ママス&パパスの“California Dreamin”のカバーもこの手のバンドではあり得ないように思うが、ナカナカのフィット具合だ。とにかく彼の個性はカートムの誰にも似ておらず、彼しか出し得ないグルーヴに溢れる作品に仕上がっている。
ベストトラックをあげるならベイビー・ヒューイ作の“Mama Get Yourself Together”とカーティスの“Hard Times”だろう。後者はA Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト)等、多くのアーティストにサンプリング、カバーされている。また、彼はライミングを多用しており、ヒップホップにも影響を与えたといわれている。
この“The Baby Huey Story: The Living Legend”は、ベイビー・ヒューイの死後に発売されたアルバムで、生前には一枚もアルバムを出していない。
サム・クックやカーティス・メイフィールドのようなA級のアーティストではないが、世界無二の存在感と、若干のうさん臭さがクセになるアーティストだ。
Producer: Curtis Mayfield
1971年