ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
Paradise,ソニー・シャーロックの代表作として一番知られているのは1969年のソロ・デビュー作『ブラック・ウーマン』だろうが、1975年の『パラダイス』の凄さはアヴァンギャルドでありながら70年代独特の異常なまでのポップさを保っているところ。これはなかなか真似ができない。特にヨーロッパから出てきた新たなジャズロックの潮流に反応しているようにも思われる。そのパワーの源となっているのはソニー・シャーロックの妻でもあるLinda Sharrock(リンダ・シャーロック)の存在だろう。本作ではVoiceのクレジットだけではなく、作家としても名を連ねている。ちなみにヴォーカルではなく「ヴォイス」とされている理由は、この作品やこれまでのソニー・シャーロックの作品を聞けばわかるだろう。もちろん、ソニー・シャーロックのギターはいつも通り狂っていて素晴らしい。
批判的に考えれば曲はバラバラで支離滅裂なのだが、アヴァンギャルドの世界にいる人に論理を求めてもしょうがない。時代に媚びずに、いかに個性を出せるかが彼らの真髄なのだ。ここは黙ってこのヴァイブレーションを思いっきり浴びる方が得策だろう。
Producer: Nesuhi Ertegun, Ilhan Mimaroglu
1975年