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ソウル&ファンク大辞典

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Phyllis Hyman / PHYLLIS HYMAN

死の香りがする憂いを表現する女性ヴォーカリスト

フィリス・ハイマン Phyllis Hyman, 1977
Norman Connors(ノーマン・コナーズ)の1976年のアルバム“You Are My Starship”に参加したことがきっかけで、成功への道を歩みだしたヴォーカリスト、フィリス・ハイマン。“You Are…”に参加した頃はまだ20代半ばを過ぎたばかりだが、Jean Carne(ジーン・カーン)の代役として抜擢されただけに、すでに大物のような円熟感が漂っていた。

このデビューアルバムでも、Gary Bartz(ゲイリー・バーツ)やHarvey Mason(ハーベイ・メイソン)等、ジャズ系の一流ミュージシャンをバックに従え、大人のメロウなソウルを聞かせてくれる。フィリス・ハイマンの特徴は、歌のうまさに加えて、感情の揺れをメロディーに込められるところ。サウンド自体は比較的オーソドクスなのに、どこか哀愁が漂い、単なるお涙頂戴型のシンガーには出せない憂いを感じる。

オススメはフィリス・ハイマンの本領発揮のバラードなら“No One Can Love You More”、比較的ダンサブルな曲ではThom Bell(トム・ベル)作の“Loving You, Losing You”、彼女のヴォーカルワークを堪能するなら“Beautiful Man of Mine”。

彼女は残念ながら1995年、「疲れた。本当に疲れた」というメモを残して、ニューヨークの自宅で睡眠薬を過剰摂取し、命を閉じている。アポロシアターで予定されていたライヴ開演数時間前のことだった。

Producer: Larry Alexander, John Davis, Jerry Peters, Sandy Torano
1977年



No One Can Love You More - Phyllis Hyman
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