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グループの中心は英国生まれのギタリスト、John McLaughlin(ジョン・マクラフリン)。ロンドンでグラハム・ボンド・オーガナイゼイションやローリング・ストーンズのレコーディングに関わっていたが、心機一転、米国に渡りトニー・ウィリアム・ライフタイムに参加。その縁でマイルス・デイビスの作品にも関わるようになり人生が一気に開ける。
ジョン・マクラフリンの超絶早弾きに対抗するのが、ソロ楽器ではなく、ドラムのBilly Cobham(ビリー・コブハム)だ。彼もマイルス・デイビス門下生の一人で、あの名作『ビッチェズ・ブリュー』のレコーディングでマクラフリンと出会っている。本作でビリー・コブハムは、ドラマーの役目を逸脱して、これでもか、これでもか、というほどジョン・マクラフリンやヤン・ハマーのフレーズに反応している。
本作ではバイオリンのJerry Goodman(ジェリー・グッドマン)もマクラフリンやハマーに対抗するぐらい弾きまくっているので、まともな演奏をしているのはベースのRick Laird(リック・レアード)ぐらいのものだ。
とにかくこのアルバムは、インドの高僧が瞑想をしながらウサイン・ボルト級の高速で瞬間移動するぐらい桁外れの作品であり、ジャズでもロックでもなく、勢い余って別次元にワープしてしまった規格外の一枚である。
Producer: Mahavishunu Orchestra
1973年