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ソウル&ファンク大辞典

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Mahavishnu Orchestra / BIRDS OF FIRE

全てが規格外の超ハイテンション・テクニシャン軍団

マハヴィシュヌ オーケストラ Birds of Fire,
Mahavishnu Orchestra,
1973
一般的に相反しがちな「超絶テクニック」「超ハイテンション」「瞑想」のトライアングル。この3つが奇跡の融合を遂げているのがマハヴィシュヌ・オーケストラの“Birds of Fire(邦題:火の鳥)”だ。あまりに技術的な演奏ばかりだと飽きてしまうが、超ハイテンションの勢いで一気に最後までもっていかれてしまう。

グループの中心は英国生まれのギタリスト、John McLaughlin(ジョン・マクラフリン)。ロンドンでグラハム・ボンド・オーガナイゼイションやローリング・ストーンズのレコーディングに関わっていたが、心機一転、米国に渡りトニー・ウィリアム・ライフタイムに参加。その縁でマイルス・デイビスの作品にも関わるようになり人生が一気に開ける。

ジョン・マクラフリンの超絶早弾きに対抗するのが、ソロ楽器ではなく、ドラムのBilly Cobham(ビリー・コブハム)だ。彼もマイルス・デイビス門下生の一人で、あの名作『ビッチェズ・ブリュー』のレコーディングでマクラフリンと出会っている。本作でビリー・コブハムは、ドラマーの役目を逸脱して、これでもか、これでもか、というほどジョン・マクラフリンやヤン・ハマーのフレーズに反応している。

本作ではバイオリンのJerry Goodman(ジェリー・グッドマン)もマクラフリンやハマーに対抗するぐらい弾きまくっているので、まともな演奏をしているのはベースのRick Laird(リック・レアード)ぐらいのものだ。

とにかくこのアルバムは、インドの高僧が瞑想をしながらウサイン・ボルト級の高速で瞬間移動するぐらい桁外れの作品であり、ジャズでもロックでもなく、勢い余って別次元にワープしてしまった規格外の一枚である。

Producer: Mahavishunu Orchestra
1973年



Birds of Fire - Mahavishunu Orchestra
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