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ソウル&ファンク大辞典

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Billy Cobham / SPECTRUM

四方八方を震わせた千手観音

ビリー・コブハム Spectrum,
Billy Cobham, 1973
音数がやたら多く、千手観音どころか足も4本位ありそうなビリー・コブハム、1973年のソロデビュー作。マイルス・デイビスの名作“Bitches Brew(ビッチェズ・ブリュー)”の録音(後にCD版でリリースされたボーナストラック)に参加したことや、Mahavishnu Orchestra(マハヴィシュヌ・オーケストラ)のメンバーであったことの影響が、この作品にも、もろに出ている。

ビリー・コブハムに負けない位、弾きまくっているのがキーボードのJan Hammer(ヤン・ハマー)と、ギターのTommy Bolin(トミー・ボーリン)のふたり。曲は全てビリー・コブハム作だが、ヤン・ハマーの影響も大きいように感じる。ちなみにトミー・ボーリンは、この2年後、リッチー・ブラックモアの後釜としてハードロックバンド、ディープ・パープルに加入している。それだけでもわかるように、このアルバムの内容も、ジャズ、ロック、プログレ、フュージョン等が混在した作品になっている。ちなみにディープ・パープルはこの『スペクトラム』収録の“Quadrant 4”のギタープレイを聞いて衝撃を受け、トミー・ボーリンをヘッドハンティングしたといわれている。

ファンクという側面から見た場合、何といってもオススメなのが、タイトル曲の“Spectrum”。他の曲が少しフュージョンやプログレ寄りなのに対し、この曲ではジャズのかっこよさが存分に出ている。ドラムソロ後のJimmy Owens(ジミー・オーウェンズ)のフリューゲルホーンを聞いただけで、後を聞かなくても、この曲のカッコよさが確信できる。

ビリー・コブハムの作品はブレイクビーツの宝庫なので、多くのアーティストにサンプリングされている。

Producer: Billy Cobham
1973年



Spectrum - Billy Cobham
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