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ソウル&ファンク大辞典

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Graham Bond / SOLID BOND

黒魔術に取り憑かれたオルガン弾き

グラハム ボンド Solid Bond,
Graham Bond
1960年代の英国におけるR&Bブームの牽引役として知られるGraham Bond(グラハム・ボンド)。彼のスタイルはR&Bだけには留まらず、ジャズやロックも巧みに取り込んだ多様性に特徴があり、オーソドックスな音楽をベースに、自由な解釈で再構築している。

この“Solid Bond”のリリースは1970年だが、収録作は1963年と1966年に録音された未発表曲を集めている。つまり、寄せ集めの作品なのだが、クオリティは恐ろしいしいほど高い。

メンバーは曲によって変わる。Graham Bond Organisation(グラハム・ボンド・オーガニセイション)時代の1963年の録音は、ベースJack Bruce(ジャック・ブルース)、ドラムGinger Baker(ジンジャー・ベイカー)、ギターJohn McLaughlin(ジョン・マクラフリン)とスゴいメンバーが集まっている。1963年といえば、サム・クックの名盤“LIVE AT THE HARLEM SQUARE CLUB, 1963”と同じ年である。この時点ですでにアメリカではなく、英国の白人の若者たちはこんなにブラック・ミュージックにのめり込んでいたのだ。

1966年の録音も負けていない。1曲目のBooker T & The MG’s(ブッカーT&ザ・MG’s)の“Green Onions”は、あらゆるアーティストがカバーしているが、その中でもこのバージョンは屈指の出来映えだ。

豊かな才能に恵まれていたにもかかわらず、後年は黒魔術やドラッグに取り憑かれ、1974年、ロンドンの地下鉄の駅で自殺してしまった。ちなみにこの時期の英国のミュージシャンが黒魔術に取り憑かれていた理由として、米国のブルースにおけるクロスロード伝説(悪魔との契約)の英国流解釈だといわれている。



Only Sixteen - Graham Bond
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