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ソウル&ファンク大辞典

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Julius Hemphill / DOGON A.D.

アンチ・アフロ・フューチャズムの呪術的ファンク

ジュリアス・ヘンフィル Dogon A.D.,
Julius Hemphill, 1972
圧巻はタイトル曲“Dogon A.D.”のチェロとドラムが奏でるリズム。極限にまでシンプルで緊張感溢れる空間を作り出す様は、表現方法は全く異なるが、根底にジェームス・ブラウンのファンクにも通ずるものを感じる。これほど高い磁力のリズムを叩き出されれば、14分以上続く曲もあっという間に終わってしまう。2曲目“Rites”では、回転するようなチェロのフレーズに心を奪われる。

とは言ってもこのアルバムは、サックスを中心にプレイするテキサス生まれのジャズ界の異才ジュリアス・ヘンフィルのデビュー作(オリジナル・リリースのモノクロ・ジャケットのアナログ盤は超激レア)。ラストの“The Painter”では、彼のアフロ・スピリチュアル寄りのフルートがビンビンきている。もちろんAbdul Wadud(アブドゥル・ワダッド)のベース的なチェロも冴えている。

テキサス時代に通っていた中学校の卒業生にはOrnette Coleman(オーネット・コールマン)もいたというから、フリージャズに進むのは運命だったのかもしれない。

アルバム・タイトルの“Dogon”とは、アフリカ・マリのドゴン族が由来。ドゴンは独自の仮面文化と宇宙に関する知識を持っていることで知られる民族。ジャケット写真が表すように、同時代のアーティストが志向したアフロ・フューチャリズムとは逆行して、1970年代の人が知恵を携えて原始の時代に逆戻りしたような根源的な音が詰まっている。

Producer: Julius Hemphill
1972年



Dogon A.D. - Julius Hemphill
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