ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
Stone Crazy!,アプローチとしては、1960年代後半にChess Records(チェス)がマディ・ウォーターズの“Electric Mud”やハウリン・ウルフ“The Howlin’ Wolf Album”で演ったことと、Screamin Jay Hawkins(スクリーミン・ジェイ・ホーキンス)をミックスしたような感じだ。つまり、オーソドックスなものではなく、ブルースの間(ま)を用いながらも、リズムを強調したファンキーでロックな内容になっている。
このアルバムはバディ・ガイのキャリアの中では不遇の時代に録音されたこと、レコーディングがフランスで行われたこと、メンバーは弟であるギタリストPhil Guy(フィル・ガイ)を含むドラム・ベースの4人だけで行われたことが重なり、何にも縛られることなく、自由な表現が可能になったのだろう。
バディ・ガイとしては番外編的な作品なので、ブルースファンよりも、ロックやファンク好きにオススメ。
Producer: Didier Tricard
1981年