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ソウル&ファンク大辞典

ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。

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Sylvester

あらゆる偏見をぶち壊したディスコ界のサム・クック

シルベスター All I Need,
Sylvester,
1982
映画監督ジョン・ウォーターズはSylvester(シルヴェスター)のことを「LSDまみれのビリー・ホリデーとダイアナ・ロス」と呼んだ。それほど刺激的で素晴らしいという褒め言葉だが、1970年代のアメリカは、ゲイやアフリカ系米国人に対して、このユニークな映画監督ほど寛容ではなかった。本人は嫌がっていたが、両性具有的な派手な服装から初期の「ドラァグ・クイーン」のひとりとしても有名である。また、晩年はエイズとも闘い、この病気を認知してもらうために、車いすでパレードにも参加した。シルヴェスターは、少数派であることに引け目を感じず、すべてを公にして、ポップスターの地位を勝ち取った、当時としては数少ないアーティストだった。

当時からLBGTQの人々が多く住んでいたサンフランシスコを拠点として活動し、地元では有名な存在だったシルヴェスターが、一躍全米に知られるようになったのが、1978年“You Make Me Feel (Mighty Real)”の大ヒットだった。その後も“Do Ya Wanna Funk(1982年)”等のヒットが続き、「ディスコの女王」と呼ばれるようになる。ちなみにシルヴェスターのバックで歌っていた大柄な女性ふたりのコーラスが、後に“It’s Raining Men(1982年)”の大ヒットを飛ばすWeather Girls(ウェザー・ガールズ)となる。

サム・クックが人種の壁をぶちこわし、ソウルの歴史を切り開いたように、シルヴェスターはゲイへの偏見をものともせず突き進み、それをエンターテイメントとして昇華させた先駆者といえる。当時のシルヴェスターの映像を見れば、音楽を超えてモデルケースとしてその後どれだけ多くの人たちに影響を与えたかは、容易に想像がつくだろう。



Do You Wanna Funk - Sylvester
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