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ファビュラス・スリーの音はとにかく渋い。ヴォーカルはなく、知る限りでは全曲インスト。70年代のジャズファンクに影響を受けたローカルなグループのようでもあり、アフリカやジャマイカな響きも感じる。激しい曲もなく、ほとんどの曲はミドルなのに、腰にグラグラくる重いグルーヴは、相当のファンククレイジーの仕業に違いない。
実は「素晴らしき3人」の正体は、Jeff DynamiteとLeon Michaelsというミュージシャン兼プロデューサー・チームの二人が中心になったユニット。ジェフ・ダイナマイトは、最近レトロ・ソウルで注目を浴びるアロー・ブラックのプロデュースを、レオン・マイケルズも超ド渋のソウル・シンガー、リー・フィールズのプロデュースを手掛けており、レトロ・ソウル界注目の二人でもある。この二人が基本的な楽器を演奏し、曲によってゲスト・ミュージシャンを迎えている。そして、このゲスト・ミュージシャンも渋い。ドラムのHomer Steinweissは、シャロン・ジョーンズ&ザ・ダップキングスやアル・グリーン、マーク・ロンソン等と仕事をしており、トランペットのMichael Leonhartも、ダップキングス、マーク・ロンソン(あの『アップタウン・ファンク』でプレイ)、ジェームス・ブラウン、レニー・クラヴィッツ等の録音に参加している。
そして、オリジナル・レコーディングも超ド渋のインディ・ソウル・レーベルのSoul Fire(ソウル・ファイア)。創設者のPhillip Lehman(フィリップ・リーマン)は、リー・フィールズのバックヴォーカルを探していた時にシャロン・ジョーンズを発掘した人物。
つまりファビュラス・スリーは、全く注目されなかった架空のユニットということになるが、現在のレトロ・ソウルのムーヴメントで重要な役割を果たしている二人組でもある。