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ソウル&ファンク大辞典

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Smoke / EVERYTHING

地獄の前衛サイケデリック・ムード・ジャズ

スモーク Everything,
Smoke, 1973
ムーディーな雰囲気で入る1曲目の“Shelda”は、ヴィブラフォンやオルガンが印象的で、あくまでもクールに進行するが、どこか妖しさが漂う。続く“Lobotomy”では、いきなり断末魔の叫びのようなサウンドから始まり、様子は一転。そしてタイトル曲の“Everything”では、ファンキーでスピリチュアルな世界。曲ごとにスタイルを変えるスモークのサウンドだが、一貫しているのがヴィブラフォンから感じる狂気。ムーディーな音楽の代名詞のようなこの楽器を、これほど狂ってプレイをする人を聞いたことがない。

B1“Griffo”はラテンとアフロが混在した主にリズムだけで構成された曲。B2“Nite Song”と続く“Miss Shirley”は、まさしく夜のジャズ。このアルバムの中では一番オーソドックスなジャズだが、単なる過去の焼き直しではなく、まるでサティがサイキックTVのジェネシスに憑依し、真夜中にぶっ飛んでジャズを演っているような不思議な感覚。ラストの“Curtis”は、カーティス・メイフィールドを彷彿とさせるようなかっこいいドラムで入る曲だが、おそらく何の関係もなさそう。このグループのメンバーのカーティスにちなんだ曲のようだ。

こんな凄いグループが日の目を見なかったなんて、もったいなすぎる。

オリジナルのリリースはドイツのジャズレーベル、MPS Records。

Producer: Baldhard G. Falk
1973年



Shelda - Smoke
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