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シルキーなジャズとソウルをミックスしたサウンドが売りのシャーデーだが、「ラヴ・デラックス」では、そのカテゴリーから飛び出し、透明感溢れる上質なポップスを作り上げている。シャーデー・アデュも洗練さを増し、このアルバムでは神々しさと同時に近未来的なメタリックさも漂わせている。ヒットした“Kiss of Life”は、マーヴィン・ゲイの“Let’s Get It On”をより上品に磨き上げてポップスにしたようで、ポップス・ファンとソウル・ファンの両方にウケがよさそう。また、リズムの引用も複雑になり、一曲の中にジャズ、ソウル、ラテン、レゲエ、アンビエント、デジタルなビートが絶妙なミックスで配合されている。どの要素も極端には前面に出ていないので、古さ(時代性)をあまり感じさせない。Roxy Music(ロキシー・ミュージック)の“Avalon”にも似た恍惚感もある。
中でも一番のオススメは、大ヒット曲“No Ordinary Love”。シャーデーが得意とするストイックなポップスが凝縮されている。
Producer: Sade
1992年