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ソウル&ファンク大辞典

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O’Jays / SHIP AHOY

負の歴史さえ超一級のエンターテイメントになり得るソウルの力

オージェイズ Ship Ahoy,
O’Jays, 1973
前作“Back Stabber(邦題:裏切り者のテーマ)”からさらに一歩踏み込み社会性を増したオージェイズの“Ship Ahoy”。

タイトルの“Ship Ahoy”とは、船乗りが使う掛け声のことで、このアルバムの場合は、アフリカ人を強制的に連行し、新大陸へと向かう奴隷船のことを指している。ジャケットのイラストでは、オージェイズの3人も奴隷として描かれている。前作の大成功でポップカルチャーの最前線に躍り出たオージェイズにしては、非常にリスキーな内容だが、プロデューサーのギャンブル&ハフは、音楽とはビジネスであるとともに、メッセージを伝えるための手段であると考えていたため、恐れることなくこの決断を下した。

このようなシリアスな内容を含んでいても、オージェイズの手にかかると、全ては最高のエンターテイメントに変身する。セールス的にもオージェイズを代表するアルバムであり、A1 “Put Your Hands Together”とB1 “For the Love of Money”はシングルチャートを賑わした。B2 “Now That We Found Love”はレゲエ・バンド、サードワールドがカバーしたバージョンも有名。

ヴォーカル・ハーモニー、MFSBの演奏(ベースには“For the Love of Money”の共作者でもあるアンソニー・ジャクソンが入っている)、フィラデルフィア・インターナショナル黄金期のギャンブル&ハフのプロデュース、そしてそこにアーティストとして伝えるべきメッセージも込められた素晴らしくバランスのとれたアルバム。

Producer: Gamble-Huff
1973年



Ship Ahoy - O’Jays
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