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このマリリン・マズール&パルス・ユニットは、デンマークで有名なJazzpar Prizeという優秀なジャズ・ミュージシャンを讃える賞のために作られた一時的なグループ(彼女自身も2001年に受賞している)。そのため残されたアルバムもこれだけしかない。
全体を流れる空気は、マリリン・マズール流の幽玄的で緩やかな有機的欧州ジャズ。アフリカやインドネシアのような景色も見える。このユニットで印象的なのは、トランペットが本業のPer Jørgensenという人物のヴォーカル・ワーク。どこかピーター・ガブリエルのようでもあり、ゆらゆら揺れるヨーデルのような発声はレオン・トーマスのようでもある。マリリン・マズールも、彼のヴォーカルありきでこのユニットのコンセプトを発想したようだ。
後半に収録された“Amulu”と“Green Bones”は、一転して欧州のジャズロックとウェザー・リポートが合体したようなオーガニックでスピーディなジャズ。大地を感じる前半とは対照的で、こちらは宇宙的でもある。
時代を超越した一枚。
Producer: Marilyn Mazur, Klavs Hovman
1995年