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シカゴ・ブルース界に新風を吹き込んだマジック・サムだったが、時代はブルースにそっぽを向きつつあり、さらなる展開が必要とされていた。同時期のChess Records(チェス・レコード)ではマディ・ウォーターズやハウリン・ウルフのような大物でさえ、バッシング覚悟でサイケデリックなアイデアを導入した作品を発表していた。しかし、マジック・サムが目をつけたのは、外道に流れるのではなく、ブラック・ミュージックの本流と再合流することだった。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったファンクと彼の故郷で人気を集めるサザンソウルをブルースと融合させたのだ。これは誰もが考えつきながら、誰もうまく消化できない課題でもあった。
この難題を見事に解決したのが『ブラック・マジック』だった。シカゴ・ブルースがよりダンサブルにアレンジされており、ブルースとソウル&ファンクのファン双方納得の仕上がりとなっている。
ベースのMark Thompson(マーク・トンプソン)はSyl Johnson(シル・ジョンソン)の弟。ちなみにマジック・サムはシル・ジョンソンにギターの教えを受けたと言われている。
もしマジック・サムがあと少し長く生きていれば、次のアルバムはスタックスから出る予定だったともいわれている。
Producer: Robert G. Koester
1968年