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本作“Lark”は、バックの演奏を極力シンプルに抑え、彼女の作曲センスと、歌の力だけで聴くものを釘付けにする。それにしても彼女は、本当に自由自在にチャーミングな声をコントロールできる。美しい空をさえずるように歌う彼女にとって、“Lark(ひばり)”というタイトルは、まさしくピッタリだ。時代的にも、同じヒバリのような声を持つMinnie Riperton(ミニー・リパートン)やSyreetha(シリータ)にも、きっと影響を与えているだろう。このアルバムが出た時点では、まだ21歳位だと思うが、音楽性といい、歌のうまさといい、オリジナリティといい、彼女の才能は飛び抜けていたのではないだろうか。
このアルバムも例に漏れず全曲素晴らしいが、ソウルフルな彼女の一面が聞けるオススメは、代表曲のうちのひとつA2“Reach for the Truth”。この曲は後半へいくに従って徐々に盛り上がり、最後にはゴスペルのような展開で頂点に達する。哀愁あるメロディーのA6“Lark”もいい。この曲もゴスペルの影響を感じ、控えめながらも彼女の黒さを感じることができる。
人種の壁なんか気にもせず、自由な発想で音楽を作り続けたリンダ・ルイス。その結果、どの年代、どの音楽ジャンルを愛する人でも、楽しめるような普遍性の高い作品が完成した。
Producer: Linda Lewis, Jim Cregan
1972年