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ジョニ・ミッチェルの長い音楽キャリアにおいて本アルバム“The Hissing of Summer Lawns(邦題:夏草の誘い)”で、ようやく多様な才能が音楽に集約しだした。一曲目はジャズ・ロック的な“In France They Kiss on Main Street”。続く“The Jungle Line”は、アダム&ジ・アンツの影も形もない時代にブルンジのドラミングを大胆に使っている(きっとババトゥンデ・オラトゥンジは聞いていただろうが…)。そしてA3 “Edith and the Kingpin”は、非常に美しいメロウな曲。一曲一曲表情がころころと変わるが、一本筋が通っているので、どの曲を聴いてもジョニ・ミッチェルの個性を感じられる。どれも音的にはマイルドなのに、脳を非常に刺激してくれる。
サウンド面を支えているのは、主にジャズ・ミュージシャン。ベースのWilton Felder(ウィルトン・フェルダー)、ギターのLarry Carlton(ラリー・カールトン)、ピアノのJoe Sample(ジョー・サンプル)はみんなクルセイダーズのメンバー。Victor Feldman(ヴィクター・フェルドマン:ピアノ)やBud Shank(バド・シャンク:フルート)も名を連ねている。
ジャズ・ミュージシャンを起用した理由は、音楽に自由を与えるためだったと、後にジョニ・ミッチェルは語っている。
プリンスもこのアルバムを擦り切れるほど聴いたらしい。
Producer: Joni Mitchell
1975年