ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。
ブライアン・オーガーは、すでにハモンドオルガンの実力や、音楽家としての才能は実証済みであり、この時期からはジャズ、ソウル、ロックを巧みにクロスオーバーする路線へと進んでいく。このアルバムには彼の音楽的構成要素が全て詰め込まれている。
60年代モッズシーンのディーヴァだったジュリー・ドリスコールは、ヤードバーズのファンクラブ会員だった時に、歌を勧められデビューを果たす。音楽にのめり込んだ彼女の制作意欲は収まるところを知らず、ちょうど『ストリートノイズ』の頃は、アヴァンギャルドジャズに足を踏み入れつつある時。このアルバムではソウルやフォーク、ゴスペル、そしてアヴァンギャルドな曲と、あらゆる顔を見せている。
彼らの趣味を感じるカバー曲もたくさん収録されている。A3 “Take Me to the Water”とB3 “I’ve Got Life”はニーナ・シモン。B1“Light My Fire”はドアーズ。ミュージカル『ヘアー』で使われたB4 “Flesh Failures (Let the Sunshine In)”、D2 “All Blues”はマイルス・デイヴィスの作品にオスカー・ブラウンJr.が詩をつけた名曲。そしてラストの“Save the Country”はローラ・ニーロと、セレクトも幅広い。
ジュリー・ドリスコール・ブライアン・オーガー&ザ・トリニティの『ストリートノイズ』は、フロントのどちらかに興味さえあれば、ロック、ソウル、ジャズ、サイケデリック、アヴァンギャルドと、どの視点から聞いても楽しめるかなりオイシイ作品。
Producer: Giorgio ‘Rubbishenko’ Gomelsky
1969年