ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
Fenix, 1970年代に伝説のレーベルFlying Dutchman(フライング・ダッチマン)に移籍したガトー・バルビエリ。そこで多様性を求める新しいジャズの流れに、自らのルーツの音を融合するようになった。
本作『フェニックス』でガトー・バルビエリは、熱を持たない不死鳥のように熱く盛り上がっていくのに、どこまでも冷徹にリズムを刻み出す究極のラテン・フュージョンが展開する。ラテンの命とも言えるリズム隊は、ドラムにLennie White, III(レニー・ホワイト)、ベースにRon Carter(ロン・カーター)、ラテン・パーカッションにNa Na(ナナ・ヴァスコンセロス)を起用。そして、『フェニックス』を当時の最先端ジャズにせしめているのは、キーボードのLonnie Liston Smith(ロニー・リストン・スミス)の存在。彼はPharoah Sanders(ファラオ・サンダース)の作品で得たスピリチュアルな世界観を、この作品でも見事に活かしている。
『フェニックス』の直後にガトー・バルビエリは、ベルナルド・ベルトリッチ監督の『ラスト・タンゴ・イン・パリ』のサントラを担当し、アーティストとしての頂点を極め、音楽家としての評価を磐石なものにした。
Producer: Bob Thiele
1971年