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プロデューサーのThom Bell(トム・ベル)とともに、デルフォニックスの核をなすのがWilliam "Poogie" Hart(ウィリアム・ハート)のハイトーン・ヴォイス。彼は美しい歌声だけではなく、魂としてのソウルも併せ持っている(ここが肝心。この二つを持ち合わせている人がなかなかいない!)。このふたりはソングライターとしても優れており、本作でも半分以上の曲でタッグを組んでいる。
ハイライトは何といっても“La La Means I Love You”だろう。スウィートソウル史上最高傑作のひとつでもあるこの曲を聴くだけでも価値はある。スウィング・アウト・シスターズやプリンスのカバーも素晴らしいが、オリジナルは越えていない。
その他にも“I’m Sorry”、“Break Your Promise”、“You’re Gone”、“Can You Remember”と初期の名曲がたくさん収録されている。フィリーソウル隆盛とともに、グループとしての質を上げていくため、アルバムとしての完成度は“The Delfonics(1970年)”や“Tell Me This Is a Dream(1972年)”に譲るが、フィリーソウル誕生の瞬間を感じられるのは、この“La La Means I Love You”以外にはあり得ない。
Producer: Thom Bell
1968年