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とはいえ、現代視点で考えると、ブロウフライのようなゆるゆるブレイク・ビーツが満載で、これほどツッコミどころが多いおいしいアーティストが見過ごされるわけもなく、サンプリング・ネタになった曲は無数にある。ブロウフライの真骨頂は基本パロディなので、彼自身もサンプリングをするように、名曲をたくさんモチーフ(「モチーフ」は少し上品すぎる表現かもしれないが)に使っている。本作では「エド・サリバン・ショー」「セサミ・ストリート」「バットマン」「スティービー・ワンダー」「トム・ジョーンズ」等をネタにして徹底的なゲス世界を演出している。タイトルが“On TV”といえども、決してテレビでは放映できないような内容ばかりだ。
ブロウフライのネタは、日本人には理解不能なものが多いが、このアルバムに出てくるネタは全て誰もが知っているような曲やネタが多くてとっつきやすい。
ある意味、王道、ある意味、ゲテモノ。ブラックミュージックは、ルーツを遡ればのぼるほど「聖なる」部分だけではなく、「邪悪さ」や「下劣さ」が浮き彫りになってくる。ブロウフライが描く「性」は「生」でもあるので、アフリカ系米国人の歴史を考えとき、無視することはできない分野でもある。今ではほぼ表世界で見ることはなくなった「もう一つの真実」がブロウフライのような世界観だ。
1974年