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2013年のLA Weeklyの記事によると、エドワード・アップル・ネルソンは、ニューオーリンズの低所得者向け住宅出身で、場所柄もあり豊かな音楽に囲まれて育ったようだ。Art Neville(アート・ネヴィル)がミーターズ結成前に組んでいたバンドThe Hawkettes(ホウケッツ)も見たことがあるという。そのためか、彼らの音はどこかセカンド・ライン・ファンクの匂いもする。
10年生で落第すると、すぐに水色のポンティアックを手に入れ、スターになるため西海岸へと向かった。
暴動で有名なワッツ地区に居を構え、しばらくするドラマーとして名を売るようになる。幻のファンクアーティストArthur Monday(アーサー・マンデイ)の“What Goes Around Comes Around”のドラムも担当した。この曲は『フリー・アンド・イージー』にも収録されている。
その他にもEtta James(エタ・ジェイムス)、Dr. John(ドクター・ジョン)、Johnny ”Guitar" Watson(ジョニー・ギター・ワトソン)、Leon Haywood(レオン・ヘイウッド)、Charles Wright(チャールズ・ライト)等のバックも務めている。中でもエタ・ジェイムスには気に入られたようで、「アップルがいないのなら歌わない」とまで言われたらしい。
初シングル“Free and Easy”がそこそこヒットした後、インディー・レーベルSagittariusを設立するが、金策に困り、終いには刑務所に収監されてしまう。これで彼の運は尽き、スターへの道は閉ざされてしまった。その後は、世俗的な世界には飽きたのか、『フリー・アンド・イージー』なヨガの世界へと行ってしまった。
本作『フリー・アンド・イージー』には、まだ欲にまみれたワイルドな時代のアップル・ネルソンの、極上ディープ・ファンクやソウルがたくさん詰まっている。
Producer: Arthur Monday, Edward “Apple” Nelson