ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。
この“Awakening”にモーリスは参加していないようだが、ファラオズのホーンセクションのメンバー数人はこの直後、アース・ウインド&ファイアーに加入している。また、サン・ラーの流れを汲んでいることや、このアルバムジャケットを見ても明らかなように、ファラオズのコンセプトの一部はアース・ウインド&ファイアーに引き継がれているものと想像される。
バンド結成の経緯だけでも十分興味深いが、サウンドもかなり興味深い。アフロファンクのA1 “Damballa”、A2 “Ibo”でアルバムは始まり、A3 “Tracks of My Tears”では超ド級のデトロイト風ソウルを聞かせてくれる。続くA4 “Black Enuff”は、アース・ウインド&ファイアーを彷彿とさせるダンサブルなファンク。A5 “Somebody’s Been Sleeping”は、100 Proof Aged in Soulの曲をアフロジャズ風にカバー。黒さと意外なほどのポップさが両立したB1 “Freedom Road”は、ブラックスプロイテーションのサントラのようで非常に味がある。そしてラストの長尺曲“Great House”は、彼らの本領を発揮したアフロジャズファンクの傑作。
レアグルーヴという括りだけで聴くにはもったいないような全曲充実した作品。
Producer: Great House Prod., Inc.
1971年