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本作“Easy Come Easy Go”は、60歳を過ぎた彼女がデューク・エリントンからモリッシー、ランディ・ニューマンまで、常識にとらわれないセレクションを歌ったカバー曲集。マリアンヌ・フェイスフルは、決して歌の上手いタイプではないが、どの曲も人生の頂点とどん底を知る彼女にしか出せないような慈愛に満ちている。
サウンドはアコースティックな楽器をふんだんに使い豪華。そしてゲストも非常に豪華。スモーキー・ロビンソンの名曲をカバーした“Ooh Baby Baby”では、アノーニことアントニー・へガティ。カントリーの“Sing Me Back Home”ではキース・リチャーズ、エスパーズのサイケ・フォーク“Children of Stone”をルーファス・ウェインライトと、ブライアン・イーノの“How Many Worlds”を英国フォークを代表する存在であるリチャード・トンプソンの息子のテディ・トンプソンと共演している。その他にもニック・ケイヴやショーン・レノンも参加。
タイトル曲は「ブルースの女帝」べシー・スミスが1920年代に残した“Easy Come Easy Go Blues”よりとられた。
時代・ジャンルに全く統一感はないが、それこそがマリアンヌ・フェイスフルらしさであり、この作品の最大の魅力でもある。論理的に理解しても何の意味もない。
Producer: Hal Willner
2008年