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特にこのラウンジ・リザーズのデビューアルバムは、Miles Davis(マイルス・デイビス)の“In a Silent Way”や“Bitches Brew”を手がけたTeo Macero(テオ・マセロ)がプロデュースを担当している。それだけを考えてみても、ジャズへの真剣さが伺える。また、テオ・マセロはもしかしたら、完全にアウトサイダーだったラウンジ・リザーズの「フェイク・ジャズ」を使って、60年代後半にマイルスで起こした革命を、再び起こそうとしたのではないだろうか。
この時期のラウンジ・リザーズの最大の特徴は、Arto Linsay(アート・リンゼイ)が在籍していたことだろう。リンゼイはまさにノー・ウェーブの申し子のような存在であり、パンク・バンドDNAのギタリストとしてデビューし、ラウンジ・リザーズでもひとり異質なルックスで、ノイジーなギターをかき鳴らしている。彼の存在が、ラウンジ・リザーズをゲテモノ扱いにする大きな原因であり、同時に魅力でもある。
もうひとり忘れてはいけないのが、リーダーのJohn Lurie(ジョン・ルーリー)。彼は後年、俳優や画家として成功するが、ジョン・ルーリーの根っこにあるのは、やはり音楽。このラウンジ・リザーズのデビュー・アルバム以降のグループの歴史は、ジョン・ルーリーの音楽家としての成長の歴史でもある。
ニューヨークの最先端文化「ノー・ウェーブ」に影響を受けたジャズマニアの気取り屋ジョン・ルーリーが音楽的才能に満ちたアート・リンゼイと出会い、始めたバンドが、ラウンジ・リザーズだと考えれば、すべてのキーワードがつながる。
Producer: Teo Macero
1981年