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ソウル&ファンク大辞典

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Joe McPhee / NATION TIME

国中がファンクに熱狂していた時代のジャズ

ジョー・マクフィー Nation Time,
Joe McPhee, 1971
基本的にはフリージャズなので、無理に意味を読み解こうとすれば頭が爆発しそうになるが、リズムに恐ろしいほどの推進力があるので、ダンスミュージックとして考えれば、完全に無になって宇宙までぶっ飛んでいける気持ちいい作品。ジョー・マクフィーが教鞭をとっていたヴァッサー大学でのライヴ録音(ジャケット写真を見る限り大学の先生には全く見えないが…)。1939年生まれの彼は、元々トランペットを吹いていたが、30歳目前の1968年からサックスを始めたというから、この作品はまだ演奏を初めて3年程しか経っていないことになる。

おそらく知的であろうジョー・マクフィーだが、このアルバムでは知性よりも原始性の方が強く出ている。A1 “Nation Time”のいきなりの煽りは、まるでジェームス・ブラウンのようであり、続くB1“Shakey Jake”になると、曲も完全にJBの影響を受けたファンクをジャズ的に解釈した作品になる。この曲だけエレキ・ギターとオルガンを入れた編成に変え、ジャズから一歩踏み出している。リズムが疾走さえしていれば、フリージャズであろうがパンクであろうが、ファンクは何でも受け入れることができるのだ。

だが直接的な影響としては、ブラック・パワーの時代に活躍したアフリカ系米国人の詩人であり思想家、音楽評論家、アミリ・バラカの活動に刺激を受けて制作したと、ジョー・マクフィーは語っている。

マイナー・レーベルCjRecord Productionsからのリリースだったので、当時はほとんど注目されることはなかったが、70年代の幕開けを飾るにふさわしい、熱い時代の空気感が記録されている。

1971年



Shakey Jake - Joe McPhee
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