ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。
おそらく知的であろうジョー・マクフィーだが、このアルバムでは知性よりも原始性の方が強く出ている。A1 “Nation Time”のいきなりの煽りは、まるでジェームス・ブラウンのようであり、続くB1“Shakey Jake”になると、曲も完全にJBの影響を受けたファンクをジャズ的に解釈した作品になる。この曲だけエレキ・ギターとオルガンを入れた編成に変え、ジャズから一歩踏み出している。リズムが疾走さえしていれば、フリージャズであろうがパンクであろうが、ファンクは何でも受け入れることができるのだ。
だが直接的な影響としては、ブラック・パワーの時代に活躍したアフリカ系米国人の詩人であり思想家、音楽評論家、アミリ・バラカの活動に刺激を受けて制作したと、ジョー・マクフィーは語っている。
マイナー・レーベルCjRecord Productionsからのリリースだったので、当時はほとんど注目されることはなかったが、70年代の幕開けを飾るにふさわしい、熱い時代の空気感が記録されている。
1971年