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ジャズ系の名門Prestige(プレスティッジ)からりリースされ、プロデューサーは奇才デヴィッド・アクセルロッド、メンバーもジャズをバックグラウンドに持つ実力派なのに、全体に漂うのは、何ともいえないB級感。たとえば、1曲目のMeters(ミーターズ)のカバー“Message From the Meters”。音は文句を言わせないほどの格好良さだが、素人のファンク同好会じゃないのに、アルバムの一曲目から「ミーターズからのメッセージ」とは一体どういうことか!? こんなにイカツイ音を出すのにどんだけ謙虚なんだ!? ラストのBarry White(バリー・ホワイト)のカバー“I’m Going to Love You”なんて、観光で知らずに入ったら身包み剥がされそうな場末のクラブでの演奏を聞いているようだ。しかし、この他に変えがたいモヤモヤ感こそがファンク・インク最大の魅力なのだ。
オススメは彼らのオリジナルのA2 “Goodbye, So Long”。ミーターズの余韻をそのまま引きずったような入り方で、次第にファンク・インク流のディープファンクに引き込まれていく。しかし、ここでも重いグルーヴにボビー・ワトリーのヴォーカルが乗っかると、雨上がりの路地裏の匂いがプンプンとしてくる。
ジョニー・ギター・ワトソンが“ベース”で参加。
Producer: David Axelrod
1973年