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スタックスへ誘ったのは、彼らと同じくデトロイトからメンフィスに移って活動していた名プロデューサー、Don Davis(ドン・デイヴィス)だった。彼の元でスタックス傘下のVolt(ヴォルト)からシングルをリリース、素晴らしい出来ではあったが、ヒットには至らなかった。そこでドン・デイヴィスが起用したのが、Tony Hester(トニー・ヘスター)だった。これが功を奏し、ドラマティックスは着々とスターの階段を上り始める。
彼らのブレイクのきっかけが、本作に収録されている“Whatcha See Is Whatcha Get”の大ヒット。この曲はビルボード・ホット100の第9位にまで上昇し、その後、ドラマティックスはソウル界を代表するヴォーカルグループに成長する。“Whatcha See…”は、単にメンバーそれぞれの卓越したヴォーカルを聴かせるだけではなく、歪んだギターリフやエッジの効いたホーンセクションの絡みが斬新なファンクの名作としても知られる。Big Daddy Kane(ビッグ・ダディ・ケイン)の“Big Daddy vs. Dolemite(1990年)”のバックでは、この曲がそのまま使用された。続いてリリースされた“Get Up and Get Down”もヒットし、ようやく彼らにとってのデビューアルバム“Whatcha See Is Whatcha Get”の発売が決まる。
そして彼らの最大のヒット曲になったのがB1 “In the Rain”だ。雷雨の効果音やDennis Coffey(デニス・コフィ)のギターが印象的なこの曲により、ドラマティックスはソウル・ヴォーカルを代表するグループになることができた。
ちなにみコンピュータ用語のWYSIWYGとは、この“Whatcha See Is Whatcha Get(= What You See Is What You Get)”のこと。
Producer: Don Davis, Tony Hester
1971年