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デビューアルバム“King of a Drag”では、ブラックミュージックの影響がモロに出た、かなりストレートなビートロックを聞かせてくれたが、本作『タイム&チャージズ』では、サイケ色を出しながらもポップなブラスロックにスタイルを変えている。その大きな原因は、プロデューサーにジェームス・ウィリアム・ガルシオを迎えたこと。彼はシカゴのプロデュースで一世風靡しているが、バッキンガムズのこの作品は、その直前に制作されている。つまりのシカゴで完成する彼のブラスロックは、バッキングガムズがプロトタイプとなっている可能性が高い。
ジェームス・ウィリアム・ガルシオは、フランク・ザッパとも仕事を共にしていた人間だけに、ルーツミュージックとサイケデリックのブレンド具合はマエストロ級。このアルバムからはシングルカットされて大ヒットとなったA1 “Don’t You Care”やジョー・ザヴィヌル作曲でキャノンボール・アダレイがプレイしたB2 “Mercy, Mercy, Mercy”のようなシンプルにポップな曲から、B5 “Foreign Policy”のようにピンクフロイド的な展開を見せる曲まで非常に幅広い。
高い人気を誇ったバッキンガムズだったが、メンバーはガルシオのサイケ路線が気に入らなかったようで、このアルバムをリリースした翌年に仲違いしてしまった。
Producer: James William Guercio
1967年