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以前はLP2枚組以上の大作ばかりを発表していたが、“Chicago V”で初めて1枚に収まるようになった。収録曲はシカゴの幅広い音楽性を集約したような内容で、名作“Saturday in the Park”や“All Is Well”のようなポップな曲も収録されているが、Tower of Power(タワー・オブ・パワー)を彷彿とさせるようなブラス・ファンク系の曲も多い。
オススメはこのアルバムのオープニング“A Hit By Varese”。ジャズやプログレ、ファンク等あらゆる要素が混在しており、このアルバムを象徴する一曲。“Goodbye”も同様の傾向の曲で、今聞いても気持ちいい。
ポップな曲も様々な仕掛けが隠されており、よく聞くとドロ沼にはまるほど奥深い。この時代のミュージシャンは、ポップであろうがアヴァンギャルドであろうが、基本トリップ志向があり、どこかにサイケを仕込ませている。
プロデューサーの James William Gercio(ジェームス・ウィリアム・ガルシオ)は、ブルーアイドソウルの名作を残したBuckinghams(バッキンガムズ)とも仕事をしている。
Producer: James William Guercio
1972年