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オリジナル盤では、タイトル通りシカゴにある通称“The Club”でライヴ・レコーディングされたことになっているが、実はこれはキャノンボール・アダレイのちょっとしたジョークで、実際にはロサンゼルスのキャピトル・レコードのスタジオに関係者を集め、お酒を振る舞いライヴの雰囲気を人工的に作り出して録音された。ウソの理由は、シカゴのThe Clubのマネージャーにアダレイの友人が就任したことから、ご祝儀代わりの広告として自作のアルバムタイトルを提供したらしい。今でいえば、タダでお祝儀代わりの契約期間無限のネーミング・ライツをあげたといういうことか。擬似ライヴとは会場の雰囲気も非常にいい。
もうひとつ特筆すべきは、タイトル曲でもある“Mercy, Mercy, Mercy”がジャズのインスト曲にもかかわらず、ビルボードのチャートでトップ20入りの大ヒットとなったこと。このヒットに便乗したBuckinghams(バッキンガムズ)は歌詞をつけてカバー曲をリリース。これまたビルボードで5位を獲得する大ヒットになった。以来、この曲はソウル界でも愛され、多くの人にカバーされ続ける。ちなみに曲は、後にWeather Report(ウェザー・リポート)で大ブレイクするJoe Zawinul(ジョー・ザヴィヌル)。この作品でもピアノを担当している。
Producer: David Axelrod
1966年