Bobby Hutcherson / SAN FRANCISCO
大河のような威風堂々たるグルーヴ
San Francisco,
Bobby Hutcherson,
1971
ヴィブラフォン奏者ボビー・ハッチャーソンが、名門ブルーノートから当時の相棒とも言えるテナーサックスのHarold Land(ハロルド・ランド)をフィーチャーして制作された“San Francisco”。70年代に差しかかった時代のジャズ界ではMiles Davis(マイルス・デイビス)のように、実験的な試みに挑戦し、60年代の王道から大きく逸脱していくアーティストが数多くいたが、ボビー・ハッチャーソンのこの『サン・フランシスコ』では、新しい流れはあくまでスパイス程度の使用に抑え、先達の遺産を引き継ぎながら比較的クールでオーソドックスなプレイに徹している。1970年前後のブルーノートは、ちょうど変革期にあり、蛹のような繊細な感覚に満ちた作品が多いが、ボビー・ハッチャーソンのこの作品はまさしくこの時期のブルーノートを象徴している。
オススメは“Goin’ Down South”と“Ummh”の2曲。“Goin’ Down…”はピアノが印象的で、曲名とは相反するかもしれないが、むかし都会のメンフィスで見た大河ミシシッピのようなイメージの雄大でファンキーな曲。“Ummh”はサンプリングソースとしてもよく耳にする。どちらも新旧のバランスが非常によく、刺激的でありながらもツボを押さえたジャズとして成立している。ラテンジャズが好きな人なら“Jazz”と“A Night in Barcelona”もオススメ。
ピアノで当時はジャズ・クルセーダーズのJoe Sample(ジョー・サンプル)が参加。
Producer: Duke Pearson
1971年