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デビュー前から、ディープなR&Bミュージシャン、Doc Bagby(ドク・バグビー)や、そのツテで知り合ったBen E. King(ベン・E・キング)にも気に入られセッションを重ねていたようだが、結局デビューには至らず、メンバー脱退の挫折も経験する。しかし、新メンバーの紹介で知り合ったPaul Kyser(ポール・カイザー)がソウル・ジェネレーションに幸運をもたらした。彼が書いた“Body & Soul”という曲の出来があまりにも良かったのだ。レコード会社への売り込みを積極的に行おうと、メンバーの結束は再び固まった。だが、これも結局どのレコード会社からもいい返事をもらえず、成果は出すことはできなかった。
それでも彼らは再び挫折から立ち上がる。ソウル・ジェネレーションを売り込むためにEbony Sounds Records(エボニー・サウンズ・レコーズ)という自主レーベルを設立したのだ。結果的にこの決断が功を奏し、『ボディ&ソウル』はソウル・ジェネレーションの代表曲として歴史に残ることになった。
「どこまでできるか試してみたかった」と後にクリフ・パーキンスは語っている。グループ結成当初から挫折は予測していたのだ。それでも彼は活動を止めず、ソウル史に残るような名作を残した。その後も彼の挑戦は続き、表舞台からは遠ざかっても、地方の小さな舞台で活動を続けた。
このアルバム『ビヨンド・ボディ&ソウル』のバックには、ピアノでJoe Sample(ジョー・サンプル)、ベースにChuck Rainey(チャック・レイニー)、ドラムにPaul Humphrey(ポール・ハンフリー)等のソウル系ジャズの一流どころが参加しているのも聞きどころ。
スウィート・ソウルだけが目当てで聞くにはもったいない一枚。
Producer: Paul Kyser, Stan Vincent
1972年