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ソウル&ファンク大辞典

ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。

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Roy Porter Sound Machine / INNER FEELINGS

刑務所でネタを仕込んだ初老男の超刺激的怪作?

ロイポーター Inner Feelings,
Roy Porter
Sound Machine,
1975
Chick Webb(チック・ウェッブ)に憧れてドラムの道を目指す決意をしたというロイ・ポーター。40年代からロサンゼルスを拠点にして、チャリー・パーカー、エリック・ドルフィー、アート・ファーマー等の大物たちとセッションを重ね、ジャズ界の王道を歩んだ。しかし50年代にドラッグ問題で一線から退くことになる。

刑務所から出所後、彼が目覚めたのはファンク。なんだかアフロ・フューチャリズムっぽくて、ダサカッコいいのかもと思わせる名前のロイ・ポーター・サウンド・マシーンは、70年代からスタートした彼のソロプロジェクトだが、サウンドはジャズ界の大物だった人だとは思えないほど胡散臭くB級感漂うジャズ・ファンク。未来感はほとんどない。どちらかというとロイ・エアーズの「コフィ」のようなうらびれたストリートに近い感覚の方が強い。ドラムはどうやらおいしいところを中心に叩いているようで、二人も別にドラマーを用意している。A2 “Love You”、名作A4 “Jessica”では、ロイ・ポーターはヴォーカルにまで挑戦しており、独特のヘタウマな喉を披露している。これがまたこのアルバムの胡散臭さを増している。

それでもこのロイ・ポーター・サウンド・マシーンのアルバム“Inner Feelings”は、長年にわたりディガー心をくすぐり続け、CD再発までアナログ盤に恐ろしい高値がつけたこともあった。ジャケットデザインやタイトルには微塵もセンスを感じないが、音だけは本物。全曲スルメのような味だらけで、王道ばかりを歩いていたら出会うことのない捨て曲なしの裏名作。

栄光の40年代よりも、70年代のロイ・ポーター・サウンド・マシーン名義の方が、時代性と酸いも甘いも噛み分けた機微が音に表れていていいと思うが、残念ながら健康上の理由で1978年に表舞台から再び姿を消した。

Producer: Arne Frager, Roy Porter
1975年



Jessica - Roy Porter Sound Machine
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