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ソウル&ファンク大辞典

ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。

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Melvin Van Peebles / SWEET SWEETBACK’S BAADASSSSS SONG

究極の素人が未来のスーパースターを呼び寄せた恐ろしき吸引力

メルヴィンヴァンピーブルズ Sweet Sweetback’s
Baadasssss Song,
Melvin Van Peebles,
1971
ブラックスプロイテーションムービーの開拓者のひとりであり、インディーズ映画の先駆者でもあるメルヴィン・ヴァン・ピーブルズ。作家・映画監督・音楽家でもある彼だが、全てはその場の成り行きでマルチな才能を切り開いたようだ。

大学で文学を専攻していたこともあり、最初は短編として自分の人生について書き始めた。それが徐々にまとまり一冊の本となり、本を読んだ人から「あんたの本は映画のようだ」と言われたことがきっかけで映画を撮る決意をしたという(少し怪しいが…)。

音楽に関しても同じ調子だった。当初は映画のサントラを担当してくれる男がいたらしいが、口先ばかりでいつまでたっても完成しないので、ついには自分で曲を作ることにした。ちなみに文章以外の映画と音楽については全く知識がないままスタートしたらしい。

そんな行き当たりばったりなメルヴィン・ヴァン・ピーブルズの代表作であり、監督・脚本・製作・編集・音楽・出演を務めたのが本作“Sweet Sweetback’s Baadasssss Song(邦題:スウィート・スウィートバック)”。この映画はいわゆるハリウッド大作とは全く違い、それまでほとんど無視されてきたアフリカ系米国人が暮らすストリートを淡々と撮影したことが新鮮な視点と受け取られ、逆にブラックプロイテーション爆発の契機のひとつとなった。

『スウィート・スウィートバック』のサントラの作曲は全てメルヴィン・ヴァン・ピープルズが担当し、演奏は当時、無一文だったアース・ウインド&ファイアが務めている(モーリス・ホワイトはそこそこ稼いでいたと思うが)。バンドメンバーのひとりがピープルズのアシスタントと付き合っていたので(一体誰だ?)、無理やり演奏させたらしい。

こうして音楽的には全くの素人が、ほんの数年後には超スーパースターになるミュージシャンと出会い、『スウィート・スウィートバック』という70年代のストリート感覚満載の傑作サントラが誕生した(映画としては決して傑作とはいえないが、映画史的には転換期を象徴する非常に重要作といえる)。

アース・ウインド&ファイアとしても異質なユルさは、聞けば聞くほど病みつきになる。

リリースはStax Records(スタックス)。ということはメンフィス録音のアース・ウインド&ファイア作品。余計にそそられる。

Producer: Yeah Inc.
1971年



Sweetback's Theme - Melvin Van Peebles
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