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初期はジョアン・ジルベルト等のボサノバに影響を受けていたが、この『アフリカ・ブラジル』では、ファンクやロックの要素を大幅に導入しており、ブラジル音楽の入門編(かつ究極編)としても聴きやすい作品になっている。
ハードなギターリフと呪術的なリズムをベースに、ブラジル的気質に溢れるジョルジ・ベンの歌声が重なる“Ponta de Lança Africano (Umbabarauma)”は、『アフリカ・ブラジル』という作品のオープニングにふさわしい多文化的な一曲。続く“Hermes Trismegisto Escreveu”は、明らかにSly & the Family Stone(スライ&ザ・ファミリー・ストーン)の影響を受けた70年代ファンク。しかし、やはりジョルジ・ベンが歌い出すと、不思議なことにブラジル音楽以外の何物でもなくなる。
このアルバムで最も有名な曲はA6の“Taj Mahal”だろう。この曲のメロディーは、ロッド・スチュワートがディスコを導入して大ヒットした“Da Ya Think I’m Sexy?(1978年)”に盗作され、裁判沙汰になった。裁判ではロッド・スチュワートが「無意識による盗作」を認めている。
ブラジル音楽を代表する一枚でもあり、異郷の地で進化した70年代ファンクの名作としても楽しめる。
Producer: Mazola
1976年