ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。
ところが彼の歴史を見てみると、Art Blakey(アート・ブレイキー)やLarry Young(ラリー・ヤング)等のジャズ界の大物たちとプレイを重ね、意外なほど王道を歩んでいることを知った。このままでは“Free Lancing”のような極太ロッキン・ジャズ・ファンクにはなり得ないはずだが、天才Ornette Coleman(オーネット・コールマン)に出会ったことが、奇跡の化学反応を生んだ。
ジェームス・ブラッド・ウルマーのギターは、まさしくオーネット・コールマン的である。このアルバムでもそれぞれのプレイヤーが精神分裂的なソロを弾きまくり、脳を刺激してくれるあたりはそっくりである。
コールマンにない部分は、ひたむきな黒さだ。コールマンの音楽にはやはりどこか知的な部分があるが、ジェームス・ブラッド・ウルマーは、故意にそれを排除しているようにも感じる。その点ではジャズよりもロックやパンクに近い。
“Free Lancing”はメジャーレーベル移籍後の第1弾のアルバムであり、この作品によりジェームス・ブラッド・ウルマーの才能を世界が知るようになった。
Producer: James Blood Ulmer
1981年