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サウンド的には看板二人の共作というよりもミック・カーンのソロ作に近い。楽器はパーカッション以外の全てをミック・カーンが担当、ピーター・マーフィーのヴォーカル以上に、ミック・カーンのフレットレスベースが存在感を放っている。
ダリズ・カーの音はロックではない。どちらかといえば、感触は第3世界の宗教音楽やアヴァンギャルド・ジャズに近い。そのためジャパンやバウハウスといった先入観を持って聞くと、確実に裏切られる。むしろ、オーネット・コールマンやアート・アンサンブル・オブ・シカゴのような音楽を好む人が聞いたほうがいいかもしれないが、ジャズファンがダリズ・カーを聞く機会は全くなかったので、プロジェクトとしては、大失敗に終わった。
キャプテン・ビーフハートの“Dali’s Car”を聞くと、ミック・カーンがピータ・マーフィーに求めたものが、そこにあるような気がする。
Producer: Dalis Car, Steve Churchyard
1984年