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キャプテン・ビーフハート&ヒズ・マジック・バンドといっても、ほぼビーフハートのワンマン・バンドといっても間違いない。高校時代の旧友、フランク・ザッパと同様、その時点でプレイできる最良のメンバーをマジック・バンドに加入させてきた。このアルバムでも、デビュー前のシングル時代から既にメンバーが変わっている(つまり天才特有のわがままというか、いい音のためなら手段を選ばない純粋さ)。
『セーフ・アズ・ミルク』では、伝統的ブルースを過激に解釈した曲が多いが、キャプテン・ビーフハート&ヒズ・マジック・バンドとして意外に感じるのは、完全にスウィート・ソウルのマナーを継承したA5 “I’m Glad”。何処かで聞いたような気もするが、紛れもなくDon Van Vilet(ドン・ヴァン・ヴィレット:キャプテン・ビーフハートの本名)の自作曲。ドン・ヴァン・ヴィレットとフランク・ザッパは、高校時代、古いブルースやR&Bを聞き漁ったというから、愛情が深すぎてパロディとも本気とも、周囲には判別不可能な世界に没入していたのだろう。
Ry Cooder(ライ・クーダー)やTaj Mahal(タジ・マハール)もレコーディングに参加していたらしい。
音楽界の裏街道を歩いた彼のキャリアだったが、フランク・ザッパに負けないぐらい偉大なミュージシャンだった。田舎の高校にこんな生徒が二人もいたなんて、恐るべしアメリカ。
Producer: Bob Krasnow, Richard Perry
1967年