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同じ頃ニュージャージーのPrestige Records(プレスティッジ)がFantasy(ファンタジー)に身売りされたため、ジャズ界では西海岸に行くことをためらっている一流アーティストやプロデューサーが数多くいた。
シーザー・フレイジャーもそんな中の一人だった。Lou Donaldson(ルー・ドナルドソン)のバンドにいたこともあり、将来を嘱望されるハモンドオルガン・プレイヤーだったが、レーベルと一緒に西海岸に移ることはためらっていた。プロデュースのボブ・ポーターも同じで、プレスティッジやアトランティックでジャズの名作を数多く手がけていたが、新天地として選んだのは西海岸ではなく、デトロイトだった。つまりウェストバウンドは、プレスティッジの残り物でこの名作を作り上げたということだ。
残り物といってもメンバーは一流。ドラムにはBernard Purdie(バーナード・パーディ)、ギターにCornell Dupree(コーネル・デュプリー)とDavid Spinoza(デヴィッド・スピノザ)とかなりなもの。
このアルバムは、まずレアグルーヴの流れで注目を集めた。決定打となったのはB1 “Funk It Down”が、ギャングスターの“Ex Girl to Next Girl(1992年)”のネタになったことだ。他の曲ではハモンドオルガンが唸るA1 “Mighty Mouse”もなかなか。
Producer: Bob Porter
1975年