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ウィルソン・タービントンは、1962年にすでに地元のA.F.O.レコードからウィリー・ティーとしてデビューしており、1965年にはWardell Quezergue(ワーデル・ケゼルグ)がアレンジした“Teasin’ You”がヒットしている。その後、いとこのUlis GainesとGatur Recordsを興す。そこの看板バンドとしてゲイターズは活動していた。ちなみにGaturとはGainesのGaとTurbintonのTurを取ってGaturにしたらしい。そのためゲイターズでは本名にしていたのかもしれない。また、彼はこのレーベルでウィリー・ティーの名前でもシングル盤を数枚出している。ゲイターズはほぼインストに近いが、ソロの時はしっかりと歌っているので、キャラをはっきりとさせるために本名と芸名を使い分けていたのだろう。
歌モノものんびりしたいい味を出しているが、ゲイターズの方が現代人の耳には聞きごたえがある。残された曲はあまり多くないが、どれも渋さとユルさのミックス具合が気持ちいい。代表曲の“Gatur Bait”などは、なかなか類似曲がなく、アレンジもカッコよく、ライブで体験してみたいダサ渋ファンク。“The Booger Man”は、若干Gene Harris(ジーン・ハリス)っぽくもあるが、ニューオリンズの弱小レーベルの音とは思えない。
スターとしてのウィリー・ティーを脱ぎ捨てて、ウィルソン・タービントンとして本当にやりたい音楽を追求したのが、きっとゲイターズなのだろう。