ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。
親父は非常にわかりやすい黒人音楽を演って人気を博したが、シュギー・オーティスは、当時としてはセンスが良すぎて、あまり理解してもらえなかったのかもしれない。この“Inspiration Information”にも、比較的ポップなタイトル曲や“Aht Uh Mi Hed”のような曲もあるが、地味な曲のほうが彼のセンスがにじみ出ている。
オススメはポップさとメロウさのギリギリのラインでせめぎ合う“Island Letter”や“Sparkle City”。また実験的な方に振れている“XL-30”や“Pling!”もいい。両者の中間の“Happy House”も絶妙なバランスの曲だ。
簡単に言うと時代を先取りしすぎたということになるが、現代のアーティストだとジム・オルークにも似たオタク感もあり、もっと日本でも再評価されていいだろう。
ソウルしか聞かないという人には、忍耐を要する作品かもしれないが、間違いなくブラックミュージックというアートの歴史に残る名作。
Producer: Shuggie Otis, Johnny Otis
1974年