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ソウル&ファンク大辞典

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S.O.S. Band / S.O.S.

「中庸の徳」を体現する哀愁のダンスサウンド

SOS Band S.O.S.,
S.O.S. Band, 1980
80年代に入るとブラックミュージックは、どんどん洗練されていき、リズムも整理され生のグルーヴをあまり感じなくなってしまったので、この時代なら、むしろ勢いを増しつつあったヒップホップの方が気になる。しかし、このS.O.S. Band(SOSバンド)は、何故か昔からよく聞いていた。

SOSバンドは強烈な個性を持つグループとは言えないが、「中庸の徳」的な良さを感じる。Mary Davis(メアリー・デイヴィス)の透明感あるヴォーカルは、彼らのタイトなサウンドを極上のポップスに変えてしまい、アップとスローのどちらでも、彼女が歌うと哀愁を帯び、心地よいメロディーに聞こえてしまう。

このデビューアルバムのハイライトは何と言ってもSOSバンド最大のヒット曲“Take Your Time (Do It Right)”だろう。この曲の成功で彼らはメジャーな存在になり、数年後には、当時まだ駆け出しだったプロデューサー・ユニットのJam & Lewis(ジャム&ルイス)を抜擢し、80年代を代表するダンスバンドへと成長する。

彼らはバラードも質が高い。A2“What’s Wrong with Our Love Affair?”は、メアリー・デイヴィスのヴォーカルを堪能できるベストトラックのひとつだ。

アレンジャーとして元JB’sのFred Wesley(フレッド・ウェズリー)が参加しており、ウェズリーはMaceo Parker(メイシオ・パーカー)とともにホーンセクションにも名を連ねている。

Producer: Sigidi
1980年



Take Your Time (Do It Right) - S.O.S. Band
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