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ソウル&ファンク大辞典

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Moses Sumney / AROMANTICISM

「愛」という先入観の外に存在するラヴソング集

モーゼス・サムニー Aromanticism,
Moses Sumney, 2017
夢と現実の境界線を行き来しながら、「愛」という先入観を必要としない人の心を歌うモーゼス・サムニー。デビュー・アルバム『アロマンティシズム』のジャケット写真が示すように、彼が紡ぎ出す音は、常に地上数十センチのところを浮遊するように不安定である。

比較的シンプルな構成の中に、フォーク、ソウル、ジャズ、テクノ、ゴスペル、現代音楽等が複雑に絡み合う彼の音世界。よくジェイムス・ブレイクやソランジュが絶賛したことを、モーゼス・サムニーの売り文句にすることが多いが、確かにこの男女の音と重なる部分はかなり感じる。ジェイムス・ブレイクは進化する音にソウルを注ぎ込むことに集中し、ソランジュは現代を生きるアフリカ系米国人(女性)としての理想的な姿を描いているように感じるが、モーゼス・サムニーは、同様の手法を採用しながら、感じる心を持たない部外者にはフィクション小説のように感じる世界を、音楽の力で正直に表現しようとしている。

彼はインタビューで「燃えるような恋をした経験がない」と語っているが、時には孤独で、恋愛感情を必要としない人生が、これほどロマンティックに感じるというのも不思議でもある。そして、その感情をリスナーが擬似体験できるということは、モーゼス・サムニーが有能な芸術家である証明だといえるだろう。

『アロマンティシズム』がきっかけになり、音楽界にも新たな流れができそうだ。

ベースでサンダーキャットが参加。

Producer: Moses Sumney, Joshua Willing Halpern, Gueorgul Linev, Cam Obi, Matt Otto, Ludwig Göransson
2017年



Plastic - Moses Sumney
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