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チャック・ブラウンの代名詞的なタイトル曲は、典型的なゴーゴー・スタイルだが、同じくファンキーなA3 “If It Ain’t Funky”やB1 “I Gotcha Now”は、意外にちゃんと演奏をしているというか、他のグループのようにリズムが異様なほどに前面に出るのではなく、全体のアンサンブルで聞かせている。ヴォーカルも吠えるのではなく、Jerry Butler(ジェリー・バトラー)のリメイクのA2 “Never Gonna Give You Up”や、バラードのB2 “Could It Be Love”では、かなり味のある歌声を聞かせてくれる。
チャック・ブラウンは殺人で服役するなど、かなりワイルドな人だった(ギターは服役中に覚えたらしい)。そして他のゴーゴー・アーティストに比べて、かなり年長だったので、音楽的嗜好が肥えていたのかもしれない。またゴーゴーが認知されたのは、80年代半ばからなので、彼の音楽性が幅広いのではなく、チャック・ブラウンの音を元に、80年代に登場したゴーゴー・ムーヴメントのミュージシャン達が、彼のファンクの部分を深掘りしていったというのが実情だろう。
まだフィリーソウル隆盛の余韻が残るシグマ・サウンド・スタジオで録音していることを考えても、「ゴッドファーザー・オブ・ゴーゴー」と80年代のワシントンDCのアーティストでは、目指すところが違っていたのかもしれない。
Producer: James Purdie
1979年