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ソウル&ファンク大辞典

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Chuck Brown & the Soul Searchers / BUSTIN’ LOOSE

「ゴッドファーザー・オブ・ゴーゴー」

チャック ブラウン Bustin' Loose,
Chuck Brown & the Soul
Searchers, 1979
ワシントンDCから発信されたダンスに特化した音楽「ゴーゴー」。一晩中盛り上がることが目的なので、Trouble Funk(トラブル・ファンク)のように、一曲が長く、強烈なグルーヴを売りにするバンドが多かった。ところが「ゴッドファーザー・オブ・ゴーゴー」と呼ばれたチャック・ブラウン&ザ・ソウル・サーチャーズを代表するアルバム『バスティン・ルース』は、意外なほどソウル的で、バラエティに富んでいる。

チャック・ブラウンの代名詞的なタイトル曲は、典型的なゴーゴー・スタイルだが、同じくファンキーなA3 “If It Ain’t Funky”やB1 “I Gotcha Now”は、意外にちゃんと演奏をしているというか、他のグループのようにリズムが異様なほどに前面に出るのではなく、全体のアンサンブルで聞かせている。ヴォーカルも吠えるのではなく、Jerry Butler(ジェリー・バトラー)のリメイクのA2 “Never Gonna Give You Up”や、バラードのB2 “Could It Be Love”では、かなり味のある歌声を聞かせてくれる。

チャック・ブラウンは殺人で服役するなど、かなりワイルドな人だった(ギターは服役中に覚えたらしい)。そして他のゴーゴー・アーティストに比べて、かなり年長だったので、音楽的嗜好が肥えていたのかもしれない。またゴーゴーが認知されたのは、80年代半ばからなので、彼の音楽性が幅広いのではなく、チャック・ブラウンの音を元に、80年代に登場したゴーゴー・ムーヴメントのミュージシャン達が、彼のファンクの部分を深掘りしていったというのが実情だろう。

まだフィリーソウル隆盛の余韻が残るシグマ・サウンド・スタジオで録音していることを考えても、「ゴッドファーザー・オブ・ゴーゴー」と80年代のワシントンDCのアーティストでは、目指すところが違っていたのかもしれない。

Producer: James Purdie
1979年



Bustin' Loose - Chuck Brown & the Soul Searchers
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